建築 施工工事記録

建設作業工事計画届(第88条第1項)の作成方法を1級建築施工管理技士が解説‼

建設作業工事計画届(第88条第1項)の作成方法を1級建築施工管理技士が解説‼

はるゆにお
足場を設置する場合何か届出が必要なの?

設置する足場の高さや設置期間によっては労働基準監督署に建設作業工事計画(第88条第1項)を提出しなければいけません。

ある程度の規模の建築工事をする場合、ほとんどの工事でこの届出は発生します。

しっかり理解して作成できるようになりましょう!

建設作業工事計画届(第88条第1項)とは

労働安全衛生法第88条第1項および第2項、安全衛生規則第86条.第88条の規定により、足場の高さが 10m以上かつ組立から解体までが60日以上の場合は設置工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長に届けなければなりません。

この計画書のことを建設作業工事計画届(第88条第1項)といいます。

提出はどこに・何部・いつまでに?

提出先は各労働基準監督署になります。

提出期限は作業開始の30日前までです。

提出部数は2部必要で、1部提出1部返却になります。

建設作業工事計画届(第88条第1項)の作成方法

機械等設置届(表)

機械等設置届(表)

事業の種類・事業場の名称・常時使用する労働者数

事業の種類・事業場の名称・常時使用する労働者数
事業の種類

総合工事業と記入します。

事業場の名称

工事名称を記入します。

常時使用する労働者数

15人~20人で記入します。

設置地・主たる事務所の所在地

設置地・主たる事務所の所在地
設置地

設置場所の住所を記入します。

主たる事務所の所在地

現場事務所の住所と電話番号を記入します。

計画の概要

計画の概要
計画の概要

足場の種類(枠組みW1200単管48.6φ等)と足場の最高高さ及び垂直に張るシートの種類(メッシュシート等)を記入します。

製造し又は取り扱う物質等及び当該業務に従事する労働者数

製造し又は取り扱う物質等及び当該業務に従事する労働者数
製造し又は取り扱う物質等及び当該業務に従事する労働者数

この段は”―”でよいです。

参画者の氏名・参画者の経歴の概要

参画者の氏名・参画者の経歴の概要
参画者の氏名

現場所長の氏名を記入します。

参画者の経歴の概要

現場所長の学歴・卒業年・資格よ登録番号・安全衛生実務経験を記入します。

工事着手予定年月日・工事落成予定年月日

工事着手予定年月日・工事落成予定年月日
工事着手予定年月日

足場を組み立て始める日を記入します。

工事落成予定年月日

足場の解体終了予定日を記入します。

機械等設置届(うら)

この書類はそのまま添付します。

機械等設置届(うら)

届出審査書

届出審査書

工事名・作業所長名・工事事務所・工事場所

工事名・作業所長名・工事事務所・工事場所
工事名

工事名称を記入します。

作業所長名

所長の氏名を記入します。

工事事務所

事務所の住所と電話番号を記入します。

工事場所

足場を設置する現場の住所を記入します。

建築主・工事金額・工期・その他特記事項

建築主・工事金額・工期・その他特記事項
建築主

施主の氏名を記入します。企業であれば会社名を記入します。

工事金額

請負金額を記入します。

工期

足場の設置期間を記入する。※工事全体の工期ではありません。

その他特記事項

何もなければ斜線を引いておきます。

工事概要

工事概要
工事概要

構造と階数の該当部に〇をつけます。

建築面積と延床面積を記入します。改修や解体工事では既存建物のものを記入します。

足場最高高さと階段の延べmを記入します。

型枠支保工の高さは今回該当しないので斜線をひいておきます。

届出の当該事項

今回は1の足場に〇をつけます。

添付書類

添付書類

該当する書類にはページ数を記入。該当しない書類には斜線を引いておきます。

審査員役職名及び氏名

審査員役職名及び氏名

会社に提出し、審査をした人の役職と氏名そして印を押してもらいます。

第1項機械等設置届作成チェックリスト

第1項機械等設置届作成チェックリスト1
第1項機械等設置届作成チェックリスト2
第1項機械等設置届作成チェックリスト3
第1項機械等設置届作成チェックリスト4

該当書類のチェック欄にチェック、ページ又は図面番号の欄にページ数を記入します。

該当しない書類には斜線を引いておき、チェックリストの順番に書類をまとめます。

チェックリストは各項目ごとに漏れがないかを確実に確認してからチェックをいれましょう!

機械設置届(表紙)

機械設置届(表紙)

工事名と会社名を記入し、所長印を押します。

付近見取り図

付近見取り図を添付します。該当建物をわかりやすく明示しましょう。

設計図

設計図を平面図・断面図・立面図の順番に添付します。

改修及び解体工事の場合は既存建物の竣工図を添付します。

総合工程表

総合工程表を添付します。

工程の表現は      とし、この中には足場設置期間がわかるように明記します。

総合仮設計画図

総合仮設計画図を添付します。

  • 隣接建物や道路を明示し、規模幅員等を明示します。
  • 本体建物や足場に事務所、仮囲い等を明示します。
  • 場内の主要動線を明示します。
  • 揚重機(リフト・EV・レッカー・クレーン)等を明示します。
  • 数字や文字が線と重ならないように注意しましょう!
  • 方位を明示しましょう。

足場概要書(その1)

足場概要書(その1)

足場概要書(その2)

足場概要書(その2)

作成し忘れがよくあります。必ず作成しましょう!

足場計画図

平面図・立面図・断面図・断面詳細図・部分詳細図を添付します。

  • 数字や文字が線と重ならないようにしましょう。
  • 平面図には方位を明示しましょう。
  • 平面図と立面図が食い違わないように十分に確認しましょう。
  • 平面図において出隅・入隅・T字形状となる部分は内側のブレスを通行の為外すので外した部分に単管手摺等を設置するような納まりにしないようにしましょう。
  • 平面図に断面線を明記し、断面図がどこを切ったのかがわかるようにしましょう。また、作成した詳細図が平面図でどこのところかわかるように明示する事。
  • 平面図・立面図・断面図には足場の種類(枠組み足場か単管ブラケット足場か単管抱き足場か)を明記しましょう。また、主要部材の種類(建地枠VF-1217・VF-0917・ブレスB-1218・B-1212・布板H-518・H-515・エンド手摺TL-12WN・TN-6WN等)も明示しましょう。
  • 立面図には通り芯を明示しましょう。
  • 建物規模が大きい場合でA3サイズでは表現が小さくなりすぎる時は、分割して大きく表現しましょう。。
  • 立面図はバックの建物の線を薄くして、足場がわかるようメリハリのある図面にしましょう。
  • 足場高さの規定を間違わないようにしましょう。枠組みの場合は最上段の建地枠天端までです。最上部に手摺柱お使用した場合は最上段の布板まで。それ以外の単管足場やピケ足場は最上段の布板までがその足場の高さとなります。
  • 建物外壁面から足場内側までの寸法を必ず明記しましょう。
  • 昇降階段は水平距離30m以内かつ各面1か所以上です。また袋小路になる部分は端部から15m以内に昇降階段を設置しましょう。
  • 朝顔・ステージ足場・足場を拡幅するカ所は、引張り側と圧縮側両方とも各スパン壁つなぎを取りましょう。
  • 建地枠を進行方向でずらして設置する時は、建地枠両端のハシゴ部分の出っ張り(175mm)を考慮して計画しましょう。(ハシゴ部分の出っ張りが邪魔になり通行できないので)
  • 単管ブラケット足場及び単管抱き足場の昇降タラップ詳細図を必ず作成しましょう。
  • ブラケット足場で先端に手摺を設ける場合は、手摺・中残・幅木を明記しその高さも明示しましょう。
  • G梁を使用した場合、G梁より下部の左右とも昇降ができるよう昇降階段を設置しましょう。また壁つなぎ・吊りワイヤー・建地の補強を明示しましょう。
  • 手摺柱OH-1を使用した時は、中桟の高さが50cmを超えるので追加の単管中桟もしくは幅木を設置しましょう。
  • 平面で内部吹き抜け等に足場を明記した場合は、立面も必ず作成する事。
  • EVシャフト内は足場を設置せず、各階閉鎖の計画としましょう。
  • 詳細図は実際の詳細図を作成しましょう。仮設標準詳細図集からそのまま引用しないでおきましょう。
  • 900枠を使用した時の昇降階段部の布板は幅400のものを使用する詳細図を作成しましょう。
  • 断面図にはエンド手摺は、表現しないでおきましょう。
  • 単管足場は立面図に中残及び手摺の高さを明示しましょう。

仮設部材カタログ

仮設部材カタログ

添付するカタログは実際に使用する材料のみとし、使用しない材料のページは添付しないでおきましょう。

そのページの中でどの材料を使用するのかを赤鉛筆等でわかるように明示しましょう。

仮設材認定番号一覧

仮設材認定番号一覧

外部足場壁つなぎの検討計算書

使用する足場つなぎのカタログと強度計算書を添付しましょう。

計算はメーカーに依頼すればやってもらえます。

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